便秘

中医学に基づいて各症状についてご紹介します。

便秘

便秘とは、大便秘結(腸の中で固まり)して不通となること。又は便意はあるもののスムーズに排泄できない、すっきりでないなどの病証です。この症状の原因はさまざまで、原因によって分類すると6つのタイプに分けられます。
あなたの便秘はどのタイプですか?

その一 「実熱便秘タイプ」

体に熱がこもっているため、熱によって体内の水分(津液)が消耗し、腸の中が乾燥してうるおいがなくなるため便が固まる。

「治療又は生活面について・・・」清熱通便潤腸

体にこもった熱をさまし(清熱)、腸の内側を水分で潤し(潤腸)、便の通りを良くする(通便)という効果のある処方を選びます。また油っこいものばかり食べるなど食のバランスが悪いと胃腸が熱を持つので、偏った食生活を改善する。

その二 「気滞便秘タイプ」

全身に血や水を巡らし、内臓をはじめ身体を動かす原動力となる「気」が渋滞しているので腸の動きが悪くなり便を押し出す力が弱い。腹部に気がつまっているので食後特にぼうまん感がつよいです。

「治療又は生活面について・・・」行気通便

滞っている「気」を行きとどかせスムーズに体内を流れるようにして腸の働きを活発化して便を通じさせる効果の処方を選ぶ。また、心配事やストレスで、胸や腹部になにかがつまっているような閉塞感を感じることはありませんか?それは「気」がつまっているのです。まさに「気滞」の状態です。運動不足や同じ姿勢を長く続けるなどでも「気滞」がおこり腸の動きが悪くなるので気をつけましょう。

その三 「気虚便秘タイプ」

エネルギーの源「気」が虚している(不足している)状態のため便意はあってもいきむ力がない。腸も無力になり動きが悪くなる。

「治療又は生活面について・・・」益気潤腸

気の不足を補い(益気)、腸の中を潤して(潤腸)便を通す処方を使います。気虚を治すには長くかかることが多いです。

その四 「血虚便秘タイプ」

「血」が不足する(血虚)すると腸に潤いが与えられなくなり、便が固くなり通じにくくなる。大出血をした出産後の女性や貧血の人に多い便秘。

「治療又は生活面について・・・」養血潤腸

血を養って増やす(養血)ことで腸に潤いを与える(潤腸)処方を使います。

その五 「陽虚便秘タイプ」

気虚がひどくなっていった状態を陽虚といいます。気虚よりさらに無力なため、肛門内に指を入れて出さないといけない位自分でいきむ力がない。水分を体内に循環させる力もない。例えると体の中の川がながれていない状況。

「治療又は生活面について・・・」増水行舟

水分を増やして舟を動かす処方。体内の陰液(水分)を増やして全身を潤す処方を選び腸内の水分の流れを修治させるため便を流すことが出来ます。

その六 「陰虚便秘タイプ」

陰液(体内の水分すべて)が不足して、便がカチカチになる。全身に皮膚のカサカサなど乾燥による症状が出ます。例えると腸内の川に水が足り無すぎて舟を動かすことができない状態。

「治療又は生活面について・・・」温陽通便

体内の「陽気」(気とほぼ同義。体内のエネルギーの源、体を温め、血・水を運行させる。)を温めて補い、腸を動かし、いきむ力をつける。陽気が不足すると、水分を体内に循環させる力もなくなる(体内の川が流れていない状況)ので陽気を全身に配るような処方を選びます。